Little AngelPretty devil 〜ルイヒル年の差パラレル

    “閑話 〜わきあいあいvv
 




 まだ時折思い出したように朝晩は冷え込みもするが、日中の気温はぐんぐんと上昇しており。気がつかぬうち、目にも目映い緑の色々が、そこここに溢れ始めてもいて。
『毎年毎年のことなのにな。』
 よくもまあここまで、色んな“みどり”があるもんだなって感心するよな、と。妙なところでジジ臭い物言いをしていた坊やが、これも緑の、妙に長いもの、小脇に抱えてパタパタッと駆け寄って来た。
「…何だ、そりゃ。」
「見て判んない?」
 利かん気そうな力みに張った、大きな眸をわざとらしくも瞬かせ。やれやれだな、ルイのおばちゃんは“上手ねぇ”って褒めてくれたぞ、子供相手のお世辞って風じゃなかったぞと。大威張りで言って、その両腕で胸元へぎゅむと抱えて見せたのは、パイル地のでっかい縫いぐるみ。日本人だってのに金髪に金茶の瞳というお人形さんのようなスペックに加えて、まだまだ男女の差異が現れるには程遠い、いかにも子供子供した、柔らかそうな線にて縁取られし、パステルカラーのお洋服がよく似合う、薄い肩に細っこい腕や脚。そんな坊やの見栄えの愛らしさには十分にそぐうアイテムながら、
“いつもだったら機関銃を抱えてる子だからなぁ。”
 違和感を覚えた自分の方が、感覚が訝
おかしいんだろうなとの認識をしみじみと噛みしめつつ。今の言いようだと、この坊やのお手製だということならしいと遅ればせながら気がついて、
「いや、俺も上手だとは思うがな。」
 だったらデザインもこの子がしたのか、デフォルメのセンスもなかなかの、少し淡い色合いをした緑の長いそれは、

  「いいか? カメレオンってのはこういう形なんだぞ?」
  「………判っとるわ。」

 そう。みょ〜んと長くて緑の胴体と先っぽが巻き巻きのお尻尾をした、カメレオンの抱きぐるみ、かっこ 口にはマジックテープ仕様の口の中へ巻き込める舌つき かっこ閉じる、だったりし。そんなこたぁ判っているよと応じたのへ、
「そか? ルイの白ランの刺繍って、どう見てもトカゲじゃんよ。」
 やっぱり言われてしまった総長さんで。
「あれって斗影兄ちゃんから譲られたマークなんか?」
「…まぁな。」
 つか、あれはあれでも“伝統の”マークなのだそうで。例えば『黒蜥蜴』なんていう、妖艶な女悪党の戯曲があるように、姿も動きも生態も、どこか怪しく淫靡な印象。不気味さがあんまり好かれない生き物だから、恐持ての象徴には丁度よかったか。賊学の所謂“総代”の証しはずっとこのマークだったのだそうで。
「そか。昔はカメレオンってのはあんまり身近じゃなかったんだ。」
 そんなお兄様が高等部でアメフト部を立ち上げた時に、カタカナ名前の弟のハイカラさにもあやかって、トカゲーズよりカメレオンズの方が粋かなと、そうやって決まったチーム名だそうで。まま、それも今はともかくとして。
「パジャマや着替えはウチにもあるのに、やけにでっかい荷物を持ってやがったのは、それが入ってたんか。」
「ピンポ〜ン♪」
 これからは暑くなるからパイプ枕みたいな素材にしても良かったんだけどな、それだとこの大きさじゃあ偏っちゃうしな。首とか胴体の途中途中に仕切り壁を作ってやりゃあいいんだけども、
「ルイに今の一言言ってやるためだけのおもちゃだのに、そこまで手の込んだもんにしてもなって思ってよ。」
 そうかいそうかい、わざわざ気ィ遣ってもらってすまねぇな。どーいたしまして。故意
わざとに丁寧な応酬をし合った二人だが、余計なお世話の翻訳をするならば、

  『相変わらず、厭味のためには労力を惜しまねぇんだな。』
  『おうっ、凹ますために張り切ったんだぞ?』

 ってトコでしょか。
(笑) そんな含みのあるよな応酬をしながらも、だのに…仲はいいまんまだから奥が深いお二人で。学校から直帰したお兄さんのお家の、お兄さんのお部屋。いつもの窓辺のソファーに、半分寝転ぶみたいに脚を投げ出し、横座りになってるところへと。横合いから登って来たおチビさんを黙って跨がらせ、へへぇ〜vvなんて悪戯っぽく笑うのへ、まんざらでも無さそうに笑い返した葉柱のお兄さんのところへ。蛭魔さんチの妖一坊や、今日はお泊まりする予定だそうで。
『ゴールデンウィークは やっぱ試合ねぇのな。』
『まあな。』
 いくら連休だからったって、じゃあ学校もお休みで都合がいいからなんて、連チャンでゲームを続けられるようなスポーツじゃあない。形式としては“15分ずつの4クォーター制”ってことになってはいるけど、何やかやで2時間は費やす長丁場に、体力と集中力とを振り絞るのがアメフトだからね。新学期の始まりとともに幕を開けた“春の高校生アメフト選手権東京都大会”も、最初の土曜にこそ3回戦があるけれど、後の連休には1ゲームも組まれておらず、
『プロ野球だって始まってんし、メーデーはあるしだかんな。祭日は他の競技やイベントに競技場を先取られてんのかもな。』
『…それもあるかも。』
 こういう時こそルイのパパの力を発揮させろよななんて。お兄さんの懐ろへと突っ伏しながら、抱え込んだままのカメレオンとお顔を並べて見上げて来つつ、冗談めかして恐ろしいことを言う子なのもまた、いつものこと。そういうことを真剣本気で嫌うお兄さんだと、重々判っていての挑発で。だけども、それを口にしたのが坊やなら、そんなお兄さんだと分かっていての肝試し、若しくは“でも俺には怒らねぇもんな”というのが織り込み済みの、一種の愛情確認みたいなもんだと、総長さんの側でも判っていることだから。ややこしい甘え方しやがってと、苦笑こそすれ やはり目くじらは立てなかったのが、つい先日、一昨日の話。今年は5月の1日2日が休日ではないのだが、
『ウチのガッコはセンセの都合で休みだぞ?』
 開催自体は祭日になんだけど、都心の方で恒例の全国単位の勉強会とかあるらしくてよ。今年はウチのセンセたちが“準備スタッフ”のクジ引いちまったらしくって。PTAとか父兄からも異論は出なかったんで“それじゃあ”ってことで、まるっと連休になっちまった。大人たちの間で交わされたのだろう、内幕話なんてものまで知ってた坊やだったので、
『…まさか、そのクジっての、お前が細工して引かせたんじゃああるまいな?』
『まんま聞き流さずにいた用心深さは結構だけどよ、何でもかんでも俺の仕業って思う癖は治しといた方がいいぜ?』
 そうまで買いかぶられても、俺にも出来ることと出来ないことってのはさすがにあっからよ。けけけっと自信満々に笑った坊やだったのへ、違う違うそうじゃなくってと、その胸の裡
うちにて坊やが感じ入った方向性へこそツッコミを入れていたお兄さんだったのもさておいて。(う〜ん)
『じゃあ、都合が良かったらだが、調整合宿やんのに付き合うか?』
 ルイさんたちもまた、今回の連休は まるっと1週間弱、授業なしのフリータイムが手に入ったそうなので。いよいよの準決勝を控えての、チームの集中と調整をと構えておいでのご様子で。自宅から通わすと、夜更かしの朝寝坊な日々へなだれ込むに違いない、まだまだ若くてやんちゃな面々なので…というのが首脳部の本音らしいが、昨年の春に使った近場の合宿所を押さえてあるという話へと、
『俺もっ、俺も行くかんなっ!』
 はいはいと元気よく、諸手を上げた坊やだったのはいうまでもなく。そこでのまずはのお泊まりと相成った週末で。少し早めの夕食の後の食休み、落ち着いたら風呂だぞと部屋へ退いての暇つぶし。ずんと遅くなった春の黄昏を横手に見ながら、何てことない話題でごちゃごちゃしているお二人さんであり。
「一体いつ作ったんだ? そんなもん。」
 この坊やがこういうアイテムを、寸の足りない腕一杯にぎゅむと抱え込んでる姿や所作は、そういや滅多に見られないもの。年齢相応で、しかも…その姿もまた、そういうことにこそ向いていよう仕様だから、何ともかんとも愛らしいものの。お兄さんとしてはちょいと“物言い”があるらしく。
「そんなもんってのは何だよ。」
 あああ、そんな腐すような言い方をするから、ほら噛みつかれた…じゃなくって。
「いや、ちょちょいって作れちまう腕前は凄げぇって思うけどよ。」
 案外とエラの張ったいかついお顔に、腕も足も横へ張り出してるってところまで。カメレオンの特徴はきっちり押さえた上で、愛らしい方向へと曲線ばかりでデフォルメされてる、手触りふかふかの抱きぐるみ。ぎょろりとした大きな眸が据わった無気質なお顔が、真っ直ぐにこっちを見上げて来ており、そんな新参者へと両の手を塞がれている坊やだってのが、何だかちょっと…つまらない。間にそんなものをごろごろと挟まれてるのも、何となく窮屈だしね。とはいえ、だからって強引に取り上げちゃうのも大人げないし。どうしてくれようかと思いつつ、
「あ、間違えた。」
 横合いから回された大きな手のひらで、坊やの髪をもしゃもしゃまさぐり、縫いぐるみの方だと思ったなんて、白々しいことを言ってみたりし。すると、
「何だよ、どう間違えたら一緒なのかな。」
 今度は間違えないで縫いぐるみの方…と、移りかけてた手の先から、素早くどかされた緑のお邪魔虫くんは。あっと言う間にお部屋の真ん中、敷き直したばかりらしき初夏向きのラグの上へとぽ〜いっと放られ、これでどうだっとぎゅむっとしがみついて来る坊やの態度と温みが、何だかとっても擽ったかったからね。ついの笑いを葉柱のお兄さんの口許へと誘った。

  ――― 何だよ。
       いや。お前も結構、挑発に乗る方なんだな。

 珍しくも洞察が利かず、意味が判らず。むむうっと口許を尖らせた坊やの表情が、なかなか鎮まってくれないものだから。やっと直接ひっついてくれたのに、艶消しだったらありゃしないから。もう一頑張りしてみっかと、

  「そうそう。こないだの騒動のその後はどうなったよ。」

 こないだの騒動? ほれ、振り込め詐欺のグループを一網打尽にしちまった。ああ、あれな。何とか話を逸らすと、坊やのお顔からも棘が一旦引っ込んで、
「セナにも一通りの事情聴取ってのがやっぱあったんだけど、それも済んだし。」
 もう俺らは呼ばれることもないだろな。それで終わりかと思ったら、不意に口許をにんまりと、横に引きつつ苦笑を見せたヨウイチくん。
「次の日にすぐっていう聴取から匿ったのは、時間稼ぎをしたかったからってのもあってな。」
 何せ、実は…この金髪坊やの方だけ、一旦あの捕らわれてたお部屋から脱出していたからね。なのに またまた戻って来たという、そんな不審な行動を、まんま警察の方々へお話しされては困るので。ずっと一緒にいたんだ、いいな?と、素直で正直者のちびセナくんへ言い含める必要があってのこと。
『でも、お巡りさんに嘘ついて良いの?』
 さすがにそれが不安だったらしいセナくんへ、
『嘘じゃねぇサ。ちょっと離れてただけだもの、間に壁とかあっただけ。』
 出てったそのままじゃあなかった、すぐにも元の部屋まで戻って来たろ? だから、出てった訳でも居なかった訳でもねぇんだよと、妙な小理屈をしゃあしゃあと言ってのけたら、
『そだね〜vv
 案外あっさりと聞き分けたセナくん、結局、余計なことは一言も言わないで、無事に聴取を終わらせたそうで。
「そん後であいつ、面白れぇこと言っててさ。」
 先に思い出してか“うくくvv”と笑ってしまったから、何だよさっさと言いなと口許を曲げて促せば、

  「“ヒル魔くんて、メロスみたいだったねぇ”てサ。」
  「…メロス?」

 頭だけ起こして“はぁあ?”とばかり、切れ長の眸をぎょろりと見張ったお兄さんへ。堪らずにますます笑い出した坊やが言うには、
「だから、ほら『走れメロス』の。」

  『セナがね“セぃヌンテウス”で、ひゆ魔くんが“メヨス”なの。』

 必ず戻って来るから、それまで絶対に泣くなよ? 良いか?判ったな?って言って出てった妖一坊やが戻って来るまで。たった一人であの倉庫みたいだったお部屋でじっと待ってたセナくんで。泣き虫は少しずつ改善されてたそうだけど、それでもあれは…色んな意味で例外もいいトコな非常事態。もっと年嵩のお兄さんでも心細さから泣いちゃって当然ていうシチュエーションだったのに。じ〜っとじ〜っと、ただただ黙って。頑張って待ってた、案外と根性の据わった強い子で。出てった同じ窓から妖一坊やが戻って来た時は、さすがに…嬉しくて気が緩んで泣いちゃいそうになったそうだけど、
『ひゆ魔くん、今まで約束破ったことなかったもんねvv
 なのにちょっとだけ、もしかしてっても思ったの。だってもしもセナだったら? 頑張ってお外に出られたのに、大人の人に助けてって言って、自分はそのままお家へ帰れるのに。あんな難しいトコから此処へ、も一度戻って来よなんて思うかなって。そんな風に思ったの。
『メヨスが帰って来ないんじゃないかって、待ってる時に思っちゃったセぃヌンテウスと、そこまで一緒だったの』
 だってよと。うくくと傑作だろと笑った坊やの言いようへ、
「………もしかして太宰治の?」
 恐る恐るに確認したお兄さんだったその心境も、うんうん判るとも、私たちには。(苦笑)太宰治といったら、教科書や近代文学史などに載るような ぱりっぱりの純文学作家であり。代表作は、この『走れメロス』や『富嶽百景』と。それらから一線を画す、戦後の『斜陽』『人間失格』という、自虐的自己破壊的な作品とが有名。ちなみに筆者は、この太宰さんを しょっちゅう芥川龍之介さんとごっちゃにする困った奴である。『羅生門』も『杜子春』も『蜘蛛の糸』も『芋粥』も、芥川龍之介さんの作品だってのに…ついつい混同するんですよね。
(おいおい)それはともかく、
「何でまたあのおチビさんが、そんなお堅い本を?」
 なんかイメージがそぐわないようなと、眉を寄せてまで怪訝そうな顔になったお兄さんへ、さもありなんと そこはすかさず、坊やが付け足したのが、
「進の奴が読み聞かせてたんだと。」
「〜〜〜〜〜。」
 彼らの知己でもある、進清十郎さんといえば。日本の高校アメフト界にその人ありという、最強のラインバッカーにして、お侍さんみたいに気が利かなく武骨で頑迷で。アメフトと体を鍛えること以外の部分が、ごっそりと抜け落ちてるような…という、今時の高校生にはあり得ないような存在だったのが。小さなセナくんと知り合ってからは、その頑迷さが…微妙に時と場合を間違えながらも、春の雪解けよろしく、緩んで来てもいるらしく。アニメソングを一緒に口ずさんでたんじゃなかったっけ。まあな、でもDVDを観らんない環境下ってのもあるじゃん。移動中のバスの中とか。そういう時に、ガッコで使ってる教科書の中から、あんまり堅くはなさそうなのを読んでやってるんだとさ。…って、周囲にも大きに迷惑なんではなかろうか、それ。
(笑)
「桜庭が言うには、セナは機嫌よく聞いてるらしいぞ?」
「それにしたって…小学生に太宰かよ。」
「なんの『山月記』よかマシだって。」
「そりゃあ中島敦だ、確か。」
 あれれぇ、そうだっけ?…なんて。案じるように呆れたように、相変わらずどっか奇妙な奴らだねぇなんて、いい肴にして語らってるお二人だけれど。気がついてますか? あなたがただって、向こうさんと同じ年齢差の間柄だってこと。高校生と小学生。なのに、こっちは『『山月記』よかマシだって』なんて、もっとコアなフレーズまでもが、しかも坊やの側から飛び出してる。向こうさんと十分に良い勝負ですよってばサ。
(苦笑)
「俺としてはサ。セナをお膝に抱えてやって、アンパンマンとかの絵本を、カタカナ名前につっかえながらも読んでやってる進ってのの方が笑えるんだがな。」
 そう言ったらば、せな、アンパンマンは幼稚園で“そつぎょう”しましただってよ。去年だって劇場版が公開されてたの観に行ってたくせに、なんか偉そうだろ? そこまで突っ込むのは大人げないから言わなかったけどサ…なんて。こまっちゃくれた口が、こっちもなかなか言うこと言うこと。可愛い子ぶりっこもお澄ましもしなくていいから。無邪気なお友達のことも、その子を大事にしている風変わりなお兄さんのことも通じてる、気の置けない相手だからこその、肩を張らないお喋りを、それこそ屈託なく繰り広げている坊やであり。そりゃ確かに笑えるなと、こっちも楽しげに目許を細めて、笑いながら聞いてやるお兄さんだったりし。内容はともかく、ほっこりほのぼの語らううちに、淡い暮色が静かに明度を落として来、ゆっくり暮れゆく春の宵だったそうですよ。








  clov.gif おまけ clov.gif


  「…あれ?」
  「どした? ルイ。」
  「いや…お前、もしかして背ぇ伸びたんか?」
  「うっと、こないだの身体検査では123センチだったぞ。」

 嘘みたいな羅列だったんで、姉崎センセと笑った笑ったと、お顔をほころばせる坊やだったが、
「いつもは120センチだって言ってたよな。」
「おお。」
 この違和感て、たった3センチのことかなぁ?と。怪訝そうにしていたお兄さん。
「ちょっと。」
 ソファーの上でむっくりとわざわざ身を起こし、いつもみたいに腿へと坊やを跨がらせてから、ほっそりとした上体をぱふりと懐ろへ引き寄せれば、
「お、やっぱりだ。」
 大きな手のひらで無造作に包み込んでいた金髪頭が、自分の頬あたりという高さになってる。何が何やらと少々堅くなっているとはいえ、
「前は頭の天辺がやっと肩までだったのによ。」
「そだったかな?」
 いつの話だよそれ。そんな昔じゃねって、去年か…その前か。

  「一年の春の話だったら、そっからだと10センチは伸びてるぞ?」
  「おおお。」

 そっかぁ、恐るべき成長期だもんな〜。年に5センチなんて軽々伸びる訳だぜ。そーだぞ、ルイみたいに後は縮むばっかな大人じゃねぇもの。人を還暦間近い爺ィみてぇに言ってんじゃねぇよ。こっちも結構“おいおい…”な発言をした総長さんへ、
「…抱えにくいか?」
 ちょっぴりと。上目遣いになって坊やが訊けば、
「いや。窮屈じゃねぇかなと。」
 この抱っこも今のうちかもな。二桁の大台に乗ったら、それこそ考えんとななんて、彼なりの洒落っ気を含ませて訊いたらば、
「〜〜〜〜〜。////////
 たちまち膨れた坊やだったこととか。そのまま拗ねてお膝から降りようとしたのへ、嘘うそ冗談だってよと、慌ててご自慢の腕を巻きつけるようにして引き留めたお兄さんだったってこととか、あのね? 今夜はちょっぴり寒いからって、家の中へと上げてもらってたシェルティのキングちゃんが、ドアの向こうで聞いてたけれど。


   ……………い〜い? 誰にも内緒だからね?
(笑)





  〜Fine〜


  *いえね。NHKの『にほんごであそぼ』を見ていて、
   歌ったり踊ったりに出て来る小学生たちへ、
   ああ、ウチの子ヒル魔くんもセナくんも、
   小さいって言っても、もうあれくらいの体格なんだろなと思ったものの。
   一緒に出てるのが大きなコニタンでは比較にならずで。
(苦笑)
   総長さんもウチのは背丈があるもんで、
   少しくらい伸びてもなかなか気がつかないんだろうなと。
(笑)

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